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  <Campuu的な仏教文学作品>

1.Sa+nghasenaの*Bodhisattvaavadaana(菩薩本縁経)

 初期の、古典梵語で書かれたチャンプー形式の仏教的な芸術詩として、Aarya%suuraの Jaatakamaalaaのほかに、断片ながら梵本として作品が残っているのが、漢訳『菩薩本縁経』(大正 No.153) の梵本、Sa+nghasena作の*Bodhisattvaavadaanaと、漢訳『大荘厳論』(大正 No.201) の梵本、Kumaaralaata作のKalpanaama#n#ditikaa D#r#s#taantapa+nktiである。

 Kumaaralaataの D#r#s#taantapa+nktiが早くから梵本の断片が知られて、研究されて来たのに対し、Sa+nghasenaの*Bodhisattvaavadaanaはこれまで梵本が知られなかった。しかしSchlingloff(1971)は<註1>%Sa%sa-Jaatakaの論文の中で、Sa+nghasenaの*Bodhisattvaavadaanaの梵文断片が、Qizil出土の5世紀の貝葉として存在し、Turfan I, Nr. 26 (pp.18-20) にその断片の ローマ字転写があげられていることを指摘した(ただしTurfan Iでは未同定の断片として扱われていた)。Turfan I, Nr. 26 にあげられた解説によれば、その断片は%Sa%sa-Jaataka, Vi%svantara-J., Kalmaa#sapaada-J., Velaama-J., Sarvadada-J., Pratyekabuddha-J.のほか、ライオンに回心させられた王Jayadattaの話、王と友の話、残忍な王と婆羅門の話などを題材として含んでいる。この写本は本来約350葉から成っていたが、Sa+nghasenaの作品は、そのうち第248葉から第301葉までの部分を占めている。この作品が終結した第301葉からは、Sutasomaの物語を詩形改稿した別の梵文作品が始まっており、そのSutasomaの物語の断片(第301, 302, 306葉)はSchlingloff(1987)のアジャンター壁画の研究において<註2>、ローマ字転写され、英訳された。現在のところ*Bodhisattvaavadaanaの梵文について、これ以上は知り得ないが、Hahn(1985b) によれば<註3>、D. SchlingloffがStache-Rosenの協力を得て、*Bodhisattvaavadaanaの断片の校訂ならびに対応する漢訳の8つの話の独訳を準備しているとのことである。早い発表が望まれる。

 *Bodhisattvaavadaanaには漢訳『菩薩本縁経』があるだけで、チベット訳はない。『菩薩本縁経』は支謙訳とされており、もしこれを認めるならば、呉黄武2年〜建興2年(西暦223-253) の訳出と考えられるため、その梵本は、恐らく2世紀中に成立した、最も早いチャンプー形式の作品の一つということになろう。Hahn(1985b)はSa+nghasenaの断片について、KumaaralaataよりもAarya%suuraに近い位置にあると感じている。

Skt.MS.: Turfan I, Nr.26

Ch, : 大正 153.  菩薩本縁経(3巻) 僧伽斯那 撰   呉 支謙 訳 

[國訳 本縁部八]

1)D. Schlingloff(1971): Das %Sa%sa-Jaataka, Wiener Zeitschrift f%ur die Kunde S%udasiens, Bd.XV, S.60.

2)D. Schlingloff(1987): Studies in the Ajanta Paintings. Identifications and Interpretation, Delhi, pp. 97-101.

3)M. Hahn(1985b): Vorl%aufige %Uberlegungen zur Schulzugeh%origkeit einiger buddhistischer Dichter, in: H. Bechert hg., Zur Schulzugeh%origkeit von Werken der Hiinayaana-Literatur, Erster Teil, G%ottingen. S.241.

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